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<産経抄>無情な「氵」の仕打ち、能登地方の豪雨災害 2024/9/25 05:00

  • 執筆者の写真: 羅夢 諸星
    羅夢 諸星
  • 2024年9月25日
  • 読了時間: 2分

常用漢字は全部で2136字ある。中でも部首として多くの字を持つのが「氵」(さんずい)という。「水」(みず・したみず)などを含めると、その数は約120に上る。河、海、泉…。水との関わりが一目で分かる字も多い。

▼元日の地震で打撃を受けた被災地が、「氵」の無情な追い打ちに苦しんでいる。石川県能登地方を襲った豪雨である。街に流木や土砂が押し寄せ、濁流が家屋を根こそぎさらい、水が引いた後の床には泥が残った。復旧も復興も遠のいた観がある。

▼犠牲者の中には、地震で崩れたトンネルの開通に向けて作業する人がいた。中小の河川が短時間で水かさを増したため、逃げ遅れた人もいるとみられる。「下が海のようになっていて逃げられない」。輪島市内の女子中学生は、父親に電話で告げたのを最後に行方が分からない。

▼床上まで水に浸(つ)かった仮設住宅もある。輪島市では3地区の仮設が、ハザードマップで浸水想定区域とされる場所に建てられていた。ただでさえ平地の少ない能登半島である。生活再建のスピードが求められる中、行政を責めるのは酷な気もする。

▼マップのただし書きには、「1000年以上に1回の雨」が降った場合の被害想定とある。それが、今回だったのか。大地震で緩んだ地盤と記録的な豪雨は、「時間差で起きた複合災害」との声も聞かれる。避難を含む防災のあり方を、もう一度問い直す時期なのかもしれない。

▼同じ「氵」でも「添」という字は優しい。つくりの部分は「天」と「心」を合わせた字で「平気ではいられない気持ち」を表すという。空の仕打ちを甘受するしかない人々の心情に、避難先からまた避難しなければならない人々の心情に、いまは寄り添いたい。

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