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(天声人語)クマと自由至上主義 2024年12月4日 5時00分

  • 執筆者の写真: 羅夢 諸星
    羅夢 諸星
  • 2024年12月4日
  • 読了時間: 2分

トランプ氏が勝利した米大統領選では、イーロン・マスク氏をはじめとするテック起業家たちが献金やSNS発信で貢献したとされる。共通するのは「リバタリアン」と呼ばれる自由至上主義者的な考え方だという。勉強しようと読みあさる中に、「リバタリアンとクマ」を主題とする興味深い本があった


マシュー・ホンゴルツ・ヘトリング著『リバタリアンが社会実験してみた町の話』は、米北東部の小さな町で起きた実話だ。個人の自由を最優先し、政府の介入を極端に嫌う一団が「自由の町計画」を掲げて移住して来た。そこへ腹をすかせたクマが次々と現れる


(短評)『リバタリアンが社会実験してみた町の話』マシュー・ホンゴルツ・ヘトリング著

2022年5月7日 2:00

『リバタリアンが社会実験してみた町の話』

マシュー・ホンゴルツ・ヘトリング著

公権力が暮らしにかかわることを極度に嫌う自由至上主義者「リバタリアン」。彼らが理想の集団作りの夢を追って集った米ニューハンプシャー州の田舎町のいきさつをルポした。

税金は低いほどよいという信念で固まる人々のせいで、消防などのインフラは整わず、図書館の予算も不成立に。議論は、ついに合衆国(連邦)からの離脱論議にまで発展する。

だが、審議する議会もお金がなくて開けない。読者は「自治とは何か」に思いを巡らすはずだ。

脇役は頻繁に町を襲う野生のクマ。自由の追求がクマ対策の不備につながる皮肉な状況もあらわになった。米社会の一断面がうかがえる。上京恵訳。(原書房・2640円)


▼銃で撃つ。ドーナツで餌付けする。家に閉じこもる。クマの扱いも「自由」で臨むために役所へ通報もせず、頭数管理に協力しない。税金が嫌で予算を削ったため、ごみ処理もばらばらで無意識の「餌付け」になってしまう


▼リバタリアンは「自由市場、最小国家、社会的寛容」という共通の価値観を持つが、各論では多様だ。この町の移住者たちの極端に自由な行動で、クマは増えた。移住者内の内輪もめもあって、計画は崩壊する


▼野生動物との関係は悩ましい。住民が通報し、行政が機能し、警察が対応しても解決するのは難しい。日本でもクマが人里に出没するケースが相次ぐ。先日も秋田市のスーパーで従業員を襲い、店内に2日間とどまった


▼クマと人間の境界線をきっちりつくり、近づきすぎないようにするのが重要だ。双方が不幸にならないために。




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