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(天声人語)中道保守とは何か 有料記事天声人語 2024年9月24日 5時00分

  • 執筆者の写真: 羅夢 諸星
    羅夢 諸星
  • 2024年9月30日
  • 読了時間: 6分

天声人語)中道保守とは何か


常見陽平さん
伊藤昌亮さん

 「わかる」とは「分ける」ことだと言われる。あれこれと境界線を引いたり、基準を設けたりして、別々のものだと区別する。そうして「ああ、判(わか)った」とか「ふむふむ、解(わか)る」とか言って、何やらわかったような気になる。人間とは、そんな生き物らしい

立憲民主党の新たな代表に、野田佳彦元首相が選ばれた。党内の支持を集めたキーワードの一つは「中道保守」へのシフトだったという。来たる総選挙をにらみ、「穏健な保守層まで手が届くようにする」のだとか

▼野党の戦術論としては、十分に理解できる。幅広い野党との連携も視野に、支持層のウィングを広げる狙いなのだろう。ただ、そのぶん、与党との違いや対立軸が、ぼやけてしまったように思えるが、気のせいか

▼そもそも「中道保守」とは何だろう。わかるようで、わからない。まさか、自民党政権とたいして変わるわけではないので、安心して投票してください、とのアピールではなかろうに

何が右で、何が左なのかも不明瞭なのに、何が中道か。保守とは、何を守ろうとの立場を言うのか。区分しにくいものを、あたかも、きれいに分けたかのようにして、わかった気にさせる。そんな政治用語のあいまいさは、目の前にある問題の本質を見えにくくしていないか

▼確かなのは、いまのこの国には、政権交代の選択肢が必要だということだ。野党としての背骨はいったいどこにあるのか。自民党とは何が違うのか。そこははっきり、明確に、お願いしたい。

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千葉商科大学
  • 准教授・働き方評論家) 2024年9月24日9時 33

分 投稿
【視点】
  • ■野党の役割とは何か 中道保守とは何か  野田佳彦氏が立憲民主党の代表になった件について、賛否両論がSNSに投稿されている。言うまでもなく、野田氏以外の候補者を支持した人が批判するわけだが、特に枝野、吉田を支持した人、自民党に対して強い対立姿勢を示す人、都知事選で元立憲民主党蓮舫を支持した人が批判している(ように見える)。朝日新聞天声人語を通じて警鐘を乱打、とまではいかないが、疑問を呈している。  野田氏を支持するかどうか、彼が代表になることの是非、賛否はいったん華麗にスルーして考える。この現象を読み解くことこそが、現在の日本の政治や言論空間を読み解く手がかりとなるだろう。  朝日新聞は「中道保守」を「戦術」と捉え、「批判」している(ように読める)。ただ、立憲民主党が担うべきかどうかは別として、中道も立派なポジションである。中道というポジションは「戦術」ではなく、「戦略」である。戦略とはポジショニングが大事で、それは戦術レベルの話ではない。そう、戦略論の入門書の最初の方に高い頻度で書いてある。もっとも、朝日新聞の懸念はそれが「戦術」に見えてしまうということだろう。ここは報道機関として、取材を重ね、野田氏や関係者の声をもとに判断して頂きたい。  そもそも「保守」「リベラル」とは何だろうか。「右」と「左」を分ける補助線は何だろうか。その前提が確認されていない上で「中道保守」を議論しても、話はこじれてしまうのは目に見えている。  そして、野党とは何を目指すべきかという論点もある。この12年間、つまり第二次安倍政権以降、政権交代可能な野党は日本に事実上、存在しなかったと言っていい。野党は分裂を繰り返し、その分裂した先でもまとまりを欠いた。この12年間の自民党は不祥事のディスカウントショップとも言える状態で、あらゆる種類の不祥事があり、それが叩き売りのような状態にあった。何度でも政権交代が起こり得たが、そうならなかった。結果、政権にブレーキをかける存在、批判をすることによって、影響を与える存在にはなり得た。  なお、野党は批判してばかりという批判があるが、言うまでもなく、それはナンセンスである。批判と否定は異なる。批判とは吟味するということである。批判することは意味がある。よく対案を出せというこれまた批判があるが、疑問を呈し、ブレーキをかけることは立派な機能であるといえる。  しかし、批判する野党であって、政権交代可能な野党ではなかった。野田氏は政権交代可能な野党を再び目指すということだろう。  なお、元総理であり、旧民主党代表だった野田氏が代表になることについて、時計が戻るかのような批判もあるだろう。ただ、民主党立憲民主党は異なる。そして、試行錯誤、模索を繰り返した先に、野田氏が就任することには意味がある。  枝野氏とは接戦だった。また、吉田氏の存在も大きい。中道保守一色にはならず、ある意味、第二次安倍政権のように、様々な利害関係を調整したような党運営が行われるのではないか。  一方、朝日新聞の懸念は、野党第一党としての立ち位置、機能だろう。「中道保守」というポジションは、ジェネリック自民党になるということではないか、国民民主党日本維新の会の違いは何なのか、という疑問もあるのだろう。まさに、この路線により日本共産党を排除したかたちでの、野党の共闘は現実味を増す。また、政策としての意義、大義はともかく(重要であるとは認識しつつも)、リベラル路線は必ずしも支持拡大にはつながらないという危機感もあるのだろう。  一方、自民党と違う視点で、さらには様々な視点を盛り込んだ上での、リベラル視点をいかに持ち込むか、一つの流れに国が突き進まないようにするにはどうすればいいのかというのが、朝日新聞の危機感であり、野田氏以外を支持した方の懸念だろう。この視点はたしかに持っておかなくてはならない。  さて、野田氏はどんな自民党総裁と向き合うのか。今後の構図からは目が離せない。連合や共産党との関係にも注目だ。  いつもは天声人語は全力で上書きするのだが、珍しく長くコメントしてしまった。5年ぶりの単著の締め切 り、来期の教材づくり、ワンマンライブの準備で大忙しでコメントプラスをサボっていた。これから、書きまくる。絶対にだ。

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成蹊大学
  • 文学部

現代社
  • 会学科教授) 2024年9月24日15時 22

分 投稿
【視点】
  • 中道路線を積極的に再定義しようとした政権にイギリスのブレア政権があります。「小さな政府」でも「大きな政府」でもない「第三の道」を掲げ、教育による就労支援を軸とする「ワークフェア」を通じて「社会的包摂」を目指しました。非正規労働者の「社会的排除」が問題化し、リスキリングの議論などが活発化している現代の日本には、学ぶところも多いのではないでしょうか。実際、そこで採用されていた「給付付き税額控除」を導入する案などを野田氏は表明しています。 SNSの普及によって世論が分極化し、極端化しがちな現在だからこそ、中道は中途半端だからダメ、として退けてしまうのではなく、むしろ中道路線をどのように再定義し、再構築していくかという問題意識が重要なのではないでしょうか。とはいえ一方では、中道路線そのものが極端化していくという「エキストリームセンター(極中道)」という現象も指摘されており、注意も必要ですが。いずれにせよわれわれは、中道という立場について粘り強く考えていく必要があると思います。

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