(社説)裏金参考人聴取 派幹部の再説明不可欠2025年2月28日 5時00分
- 羅夢 諸星
- 2月28日
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自民党安倍派の元会計責任者に対する、衆院予算委員会の参考人聴取がようやく実現した。だが、裏金問題の全容解明には遠く、派閥幹部の説明との食い違いも残ったままだ。新年度予算案の衆院採決に向けた「通過儀礼」にしてはならない。国会として、究明の手立てを尽くすべきだ。
政治資金規正法違反(虚偽記載)の有罪が確定した松本淳一郎氏への聴取は、都内のホテルに安住淳委員長ら与野党の理事が出向く異例のかたちで、非公開で行われた。
野党の賛成多数で招致を議決してから約1カ月。いったんは20日に決まった日程が、実施方法をめぐって延期になる曲折もあった。松本氏が民間人であることを理由に、議決自体にも反対した自民党の消極姿勢は明らかだ。
松本氏は政治資金パーティー券の販売ノルマ超過分の還流と政治資金収支報告書への不記載について、19年に派閥の事務局長に就任する前からの「慣例」で、違法行為の認識はあったが、従わざるを得なかったと述べた。いつから始まったのかは聞いていないと説明した。
派閥会長だった安倍元首相の指示で廃止された還流が、安倍氏の死後に再開した経緯については、自身も陪席した塩谷立、下村博文、西村康稔、世耕弘成の4氏による22年8月の幹部会議で決まったと述べた。塩谷氏を除く3氏の「会議では結論が出なかった」という認識とは異なる。
松本氏が自身の公判で証言した、還流継続を求めた「ある幹部」の名前は問われても答えず、「今は現職(の議員)ではない」と述べただけだった。
東京地裁の判決は、松本氏は「派閥会長や幹部らの判断に従わざるを得ない立場にあった」と認定した。幹部らは衆参の政治倫理審査会で一度、弁明はしているが、松本氏の証言を受けて、改めて国会で説明を求める必要がある。無所属で当選し、自民党と会派を組む西村、世耕両氏の責任は重い。
裏金が相当以前から続く慣行だったとすれば、実態を知りうる立場にあったのは、98~06年に断続的に派閥会長を務めた森元首相ではないか。岸田首相(当時)によるおざなりな電話聴取で済ませるわけにはいかない。
石破首相は一昨日の衆院予算委で「私のみならず、多くの国民が一体なんだったんだということを知りたいのは間違いない」と述べた。企業団体献金の扱いなど、積み残しの政治資金改革に結論を出す前に、裏金問題への疑念を払拭(ふっしょく)することが不可欠だ。
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