2024年10月12日(土) 石破派裏金疑惑
- 羅夢 諸星
- 2024年10月12日
- 読了時間: 4分
2024年10月12日(土)
石破派裏金疑惑
「赤旗」日曜版新スクープ 新政権を直撃
石破茂新首相の派閥「水月会」が政治資金パーティーの収入を6年間で計140万円過少に記載していた―「しんぶん赤旗」日曜版6日号がスクープしたのは、自民党の主要5派閥と同様の深刻な裏金疑惑です。裏金疑惑で岸田政権が退陣に追い込まれ、「刷新」を目指して誕生したばかりの石破新政権を直撃する疑惑に永田町に激震が走っています。
140万円不記載
日曜版6日号が暴露したのは、「健康保険政治連盟」が2016年から21年まで石破派のパーティー券276万円分を購入した記録があるのに、石破派の政治資金収支報告書には136万円分しか収入の記録がないという事実。毎年20万~40万円前後、トータルで140万円分の過少記載を指摘したのです。
「健康保険政治連盟」の支出記録では、パーティー券は例年「20万円」以下に小分けして購入されています。例えば20年には同連盟がトータルで50万円支払っているのに、「20万円」「20万円」「10万円」と小分けして領収書を切っています。これは20万円超のパーティー券購入者は収支報告書に記載しなければならないところ、「20万円以内」として規制を逃れるための脱法的手法です。裏金疑惑が広がった主要派閥では、同じ手法で大口購入者を記載せず、総収入を低く見せかけ裏金をつくってきました。
石破派も同様の脱法的手法をとり、毎年、収入の過少記載をしていたこと自体、裏金処理の重大な疑念を生じさせるものです。
苦しい言い訳
志位氏の追及に首相は「事務局側の確認漏れ」と“事務的なミス”を強調。また「記載の誤りがあったのは、(誰が買ったかなど)内訳の金額であり、収入総額の誤りは確認されていない」と苦しい言い訳に終始しました。
志位氏は記者会見で、「複数年にわたって同一の政治団体からの収入の記載を間違うことはありえない」と指摘。「収入総額には誤りがないというのであれば、証拠を出す必要がある」と批判しました。
志位氏の指摘の通り、同じ団体からの収入を毎年20万円ずつ間違えるというのは極めて不自然です。そしてそんな間違いを重ねながら、「収入総額」に限って誤りはないというのも不自然です。
岸田文雄前首相も派閥のパーティー収入の過少記載が指摘されると、同じ答弁をしていました(23年11月29日、参院予算委)が、検察の捜査で裏金問題があったことが明らかになり、元会計責任者の有罪が確定しています。
虚偽答弁疑い
日曜版13日号の“追及第2弾”では、同編集部が情報公開請求で入手した「健康保険政治連盟」が総務省に提出した領収書の写し(18~20年分)に基づき同政治連盟に取材。領収書は田村憲久元厚労相側と鴨下一郎元環境相側が発行したものと確認しました(両氏は石破派事務総長経験者)。
18~20年分の収支報告書を提出した石破派の会計責任者は「パーティー券の購入者や購入金額は、議員側の申告にもとづき収支報告書に書いている」と説明しています。そうだとすると、パーティー収入の「過少記載」の結果は田村氏側か鴨下氏側の「虚偽の申告」によるもので、実際の販売額を派閥におさめず「中抜き」していた疑いが出てきます。旧安倍派の「裏金づくり」と同じ手法です。「事務的ミス」「収入総額に誤りはない」という首相の弁明も虚偽の疑いが出てきます。
首相は9日の党首討論で、疑惑を巡り「裏金化して誰かが利益を得たことはない」と強弁。これも虚偽の疑いが強まっています。
田村委員長が「ほかには不記載はないと断言できるか」(8日)とただしたのに対し首相は、「これまでのところ把握していない」と不明確な答弁しかできませんでした。ゆらぎを示したものでしたが、新たな不記載が飛び出しています。
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