<産経抄>日本の評判下げた〝外交〟 不作法な石破首相 2024/11/21 05:00
- 羅夢 諸星
- 2024年11月21日
- 読了時間: 2分

APEC首脳会議の記念撮影に臨む各国首脳。石破首相は参加しなかった=16日、ペルー・リマ(共同)
米・ウィリアムズバーグでのサミットに出席した中曽根康弘首相を、軍楽隊が「軍艦マーチ」で出迎えた。1983年のことである。元海軍主計少佐の首相に敬意を払った演奏だが、日本の一部メディアは「不見識だ」と騒いだ。
▼日本側の批判を米側が気にしている―。伝え聞いた中曽根氏は会議後、レーガン大統領に「心配ない。日本では名曲だ」と伝えた。肩を並べて歩くうち記念撮影の場に。中央に立つレーガン氏の横を中曽根氏は動かず、後から来たサッチャー英首相に挟まれ写真に納まっている。
▼当時は首相就任から約半年。まだ「顔」ではなく、慣例に倣えば立ち位置は隅の方だ。「あれは愛国心。隅っこでは国民に申し訳ない」とは中曽根氏の回想である。レーガン氏への接近には、記念撮影を見越した計算があったというから恐れ入る。
▼約40年を経ても、元首相の気負いには湯気立つような熱を感じる。さて、南米に赴いた石破茂首相である。閉幕したAPECでの振る舞いは、酷評を受けた。握手を求めてきた外国首脳に、座ったまま応じる。他国の首脳同士が歓談するのをよそに、スマホいじりに他念がない。
▼腕組みして式典に臨む姿も報じられた。海外では敵対的行為とされる不作法だ。渋滞に巻き込まれ、各国首脳が集う記念撮影を欠席したとも聞く。検索ワード「#日本の恥」はトレンド入りした。日本の評判を下げる〝外交〟だったのは疑いない。
▼中国の習近平国家主席は、APECとブラジルでのG20で「反保護主義」を言い募った。トランプ次期米大統領に対し、あくまで〝善玉〟を演じる腹だろう。いかにも下手な芝居だが、「米国の裏庭」と呼ばれる南米での立ち回りには、計算の跡がうかがえる。
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